歯の神経(歯髄)を取る治療とは?治療の流れや回数、注意点について
こんにちは!雲仙市国見町の徳永歯科医院です!
今回は歯の神経を取る治療について説明していきます。
上の画像のように、歯の中の神経は歯髄と呼ばれています。
歯髄は、歯がしみるとか痛いなどの感覚を司る組織です。
そしてこの歯髄を取る処置は抜髄とも呼ばれます。
歯の状態によっては抜髄をしなければいけない場合があり、下のような場合があります。
- むし歯が歯髄まで到達している場合
- 知覚過敏の症状があまりにも強い場合
- 歯が欠けたり、すり減ったりして、中の神経が露出してしまった場合
- 歯が外傷を受けた後に歯髄の痛みが強くなった場合or歯髄が死んだ場合
- ブリッジを入れる際に歯髄を残したままだと平行性が取れない場合など
色々な場合がありますが、1番多いのはやはりむし歯が歯髄まで到達している場合かと思われます。
歯髄まで到達している大きなむし歯になると、強い痛みが出ている場合もあるし、まだ痛みがない場合でも放っておくと後々痛みが出てくるので、どっちにしても処置としては歯髄を取る処置になります。
それでは、具体的に歯の神経(歯髄)を取る治療の流れや注意点について説明していきます。
歯の神経(歯髄)を取る治療の流れと回数
まず歯の神経(歯髄)を細かいところまで取ります。
その後に根っこの中の消毒を何回か行います。そして症状などが落ち着いて根の中に防腐剤を入れれば根っこの治療が終わります。
歯の神経をとる治療〜根っこの治療が終わるまでだいたい2〜4回くらいです。
その後、歯の形をした被せ物(or詰め物)を入れて歯の治療が終わり、という流れです。
被せ物を入れる治療も3〜4回はかかります。
なので、歯の神経を取る治療〜被せ物を入れるまでの治療回数はトータルで5〜8回はかかります。
治療中の注意点について
注意点としては下のようになります。
- 歯の神経(歯髄)をとった後は、咬むと痛い症状が一時的に出る
- 途中で治療を中断すると、根の中で菌が繁殖してしまう
歯の神経(歯髄)をとった後しばらくは、咬むと痛い症状が出やすくなるので、硬いものは気持ち避けて食べるようにしてください。
基本的に、何回か消毒すると症状は落ち着いてくるので安心してください。
ただ、神経をとった後、消毒に来られずに治療中断してしまうと、根の中で細菌が繁殖してしまい膿が溜まってきます。
そうなってしまうと、元々の予定より根の消毒の回数がかかってしまうか、最悪の場合抜歯になる可能性もあります。
消毒は、3日~10日に1回程度来ていただければ大丈夫なので頑張って通ってみてください。
歯の神経を取るデメリット
歯髄を取ることでのデメリットもあります。
- 歯自体が脆くなる
- 歯が暗く変色する場合がある
- 根の先に膿が溜まって再治療になる可能性がある
歯髄は厳密には細かい神経と血管が入り混じった組織です。
歯髄がある歯は血管からの栄養供給があるため強度も高いのですが、歯髄を取ってしまうと栄養供給が絶たれるので歯が脆く折れやすくなります。
なので、歯髄を取って根の治療が終わった後、歯の欠損部がある程度大きい場合は、歯の破折防止の意味も込めて歯の形をした被せ物を入れることが多いです。(歯の欠損が小さい場合は被せ物にせずに、欠損部に詰め物を詰めて終わりにする場合もあります。)
また、歯髄を取った歯は、歯の艶がなくなり色も黒褐色に変色することもあります。
変色に対する解決策としては、被せ物を入れるか、被せ物を入れずに色を改善させるならウォーキングブリーチというホワイトニングの方法もあります。
後は、根の治療をしたあとで根の先に膿が溜まって再治療になる可能性もあります。
それは、歯髄に備わっている防御反応がなくなるため、細菌に対する抵抗力が弱くなってしまうからです。
特に根の治療が途中なのに中断した場合はさらに根の先に膿ができやすくなるので、根の治療が始まったら中断せずにしっかり最後まで治療を受けるようにしてください。
まとめ
大きいむし歯があるときなど、歯の状態によっては歯の神経(歯髄)を取る必要があります。
歯髄を取ってから根の治療をして被せ物を入れて終わりとなるので、治療回数は5〜8回はかかります。
治療途中で中断すると、根の中で菌が繁殖してしまい膿が溜まってしまう場合もあるので、中断しないようにしっかり治療を受けるようにしましょう。