歯の神経(歯髄)が死んでしまったらどうなる?原因と治療方法も説明します!
こんにちは!雲仙市国見町の徳永歯科医院です!
今回は歯の神経が死んでしまう原因と予後、治療方法について説明していきます。
ここで言う歯の神経とは、歯髄と呼ばれる組織です。
歯髄は厳密には神経と血管が入り混じった組織で、歯がしみたり痛みを感じたりする部分でもあり、歯に栄養を供給する部分でもあります。
歯髄が死んでしまうことで歯への栄養供給が絶たれそこで細菌も繁殖するので、そのせいで色々と悪い影響が出てきてしまいます。
また、歯の神経が死んでしまう原因自体も様々あります。
今回はこれらについて詳しく説明していきます。
目次
歯の神経が死んだ予後は?どんな症状が出る?
歯髄は神経と血管が入り混じった組織です。
なので歯髄が死んでしまうと、歯への栄養供給が絶たれるのと腐った歯髄に細菌が繁殖します。
それを放置すると下のような症状が出ます。
- 痛み、腫れが出る
- 歯が脆くなり、欠けやすくなる
- 歯が暗く変色する
歯髄が死んでしまってそのまま放置しておくと、中で細菌が繁殖して根の先まで炎症が波及します。
そうなると、痛み、腫れが出てきます。
また、歯への栄養供給も絶たれるので、歯が脆く欠けやすくなり、歯の艶がなくなり色も黒褐色に変色することもあります。
歯の神経(歯髄)が死んでしまう原因
歯の神経(歯髄)が死んでしまう原因は、下のようなものがあります。
- 大きいむし歯を放置していた
- 転倒などで歯を強く打った(打撲)
- 強い知覚過敏の症状が続いていた
- 歯ぎしり、くいしばり
- 以前、歯髄ギリギリまでむし歯を削って詰め物をした
大きいむし歯を放置していた場合が一番多い原因と思われます。
それぞれ説明していきます。
大きいむし歯を放置していた
むし歯が大きくなり歯髄まで達すると、歯髄炎という歯髄が炎症を起こした状態になります。
こうなると歯髄が過敏になり、強い痛みが出ます。
歯髄が生きている間はその痛みが続くのですが、その状態でずっと我慢していると歯髄が弱っていき歯髄が死んでしまいます。
大きいむし歯を放置しているとこのような流れで歯髄が死んでしまうことがあるのです。
転倒などで歯を強く打った(打撲)
歯髄は神経と血管が入り混じった組織です。
歯を強く打ってしまった場合、血管が損傷し血液供給が絶たれることがあります。
血液からの栄養供給がなくなると神経が死んでしまいます。
また、打ってからすぐに歯髄が死んでしまう場合もありますが、打ってからだいぶ時間が経ってから時間差で歯髄が死んでしまうこともあります。
なので強く打ってからだいぶ時間が経ってからの腫れや痛みだとしても、歯科受診の際は以前強く打ったことがある旨をお伝えするようにください。
強い知覚過敏の症状がずっと続いていた
しみる症状が強いなどの知覚過敏の症状がずっと続いてしまうということは、中の歯髄がずっと過敏な状態が続いているということです。
そうなると治療としては、歯髄を取る治療も選択肢に挙がってきます。
ただ、このときに歯髄を取らずに知覚過敏の症状を我慢してさらに歯髄が過敏な状態が続いてしまうと、その歯髄は自然に弱ってきてしまいます。
そして最終的には歯髄が死んでしまう場合があるのです。
歯ぎしり、くいしばり
歯ぎしり、くいしばりによって、歯に亀裂が入ったり歯が欠けてしまうことがあります。
そうなるとその亀裂が入った部分から歯髄に細菌が入って歯髄が弱っていき、歯髄が死んでしまうことがあります。
以前、歯髄ギリギリまでむし歯を削って詰め物をした
元々むし歯が歯髄の近くの深さまであって、そのむし歯を削って詰め物をしたとします。
このように歯髄ギリギリまでむし歯を削って詰めている場合、歯髄にも負担がかかっているのでその影響で歯髄が弱ってしまい死んでしまうこともあります。
もちろん残した歯髄が処置後も正常な状態を保つのが一番理想的なのですが、このように死んでしまうパターンもあるということです。
治療方法について
歯髄が死んでしまって根の中が感染していている状態です。場合によっては根の先まで炎症があります。
この根の先に炎症がある状態は根尖性歯周炎と呼ばれます。
歯の神経が死んでいるときの治療方法は、根の先に炎症があるにしてもないにしても根尖性歯周炎の治療に準じて行っていきます。
治療としては感染根管治療と呼ばれる根の治療を行っていきます。
根の治療のゴールとしては、その中の汚れがきれいになることが目標になるので、何回か消毒交換をして根の治療を仕上げていきます。
その後に被せ物(or 詰め物)を入れる治療になります。
歯の欠損部がある程度大きい場合は、歯の破折防止の意味も込めて歯の形をした被せ物を入れることが多いです。(歯の欠損が小さい場合は被せ物にせずに、欠損部に詰め物を詰めて終わりにする場合もあります。)
歯の艶がなくなり色も黒褐色に変色することもあり、特に前歯では色に対する解決策という意味でも被せ物を入れる場合があります。被せ物を入れずに色を改善させるにはウォーキングブリーチというホワイトニングの方法もあります。
歯が残せる場合は上記のような治療で歯を残していくのですが、根の炎症が大きすぎる場合は歯を残すのが難しく抜歯になる可能性もあります。
まとめ
大きいむし歯の影響や以前歯を強く打ったなど色々な原因で歯の神経(歯髄)が死んでしまうことがあります。
歯髄が死んでしまうと、痛みや腫れなどの症状が出たり、歯の色も暗く変色してくるので特に前歯だと色が目立ってくるようになります。
ずっと放置しておくと根の先の炎症が大きくなって抜歯になってしまう可能性もあるので、早めに根の治療をして歯を残すようにしていければと思います。
なので当てはまる症状があれば早めの歯科受診をおすすめします。