歯周病と糖尿病の関係とは?糖尿病で歯周病が進み、歯周病で糖尿病が進む理由
こんにちは!雲仙市国見町の徳永歯科医院です!
糖尿病になると歯周病が進行しやすいと言われています。
そして、歯周病が進行すると糖尿病も進行しやすいです。
つまり、歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼすのです。
今回は、歯周病と糖尿病の関係について説明してきます。
目次
歯周病とは?
歯周病は歯茎が弱くなる病気です。
進行すると歯茎が腫れやすくなったり、歯がグラグラしたり、咬み合わせると痛い症状が出やすくなります。
歯周病の原因としては、下のように様々な要因があります。
- 歯石、歯垢(歯周病菌)
- 年齢
- 歯ぎしり、喫煙、糖尿病、妊娠など
歯周病のメインの要因は歯周病菌です。歯石や歯垢(歯周病菌)がついてくると歯茎が弱っていくスピードが早くなります。
歯周病は基本的に症状なく進行していくので初期段階では自覚症状はないのですが、ある程度進行してくると歯周ポケットが深くなります。
歯周ポケットが深くなると、歯茎にばい菌が入りやすい環境になるので、腫れや痛みを繰り返しやすくなります。
また、歯の周りを支えている骨も溶けてくるので、重度歯周病の場合は歯のグラグラが大きくなり歯を抜かなければならないこともあります。
糖尿病が進むと歯周病も進み、歯周病が進むと糖尿病も進む!
糖尿病とは、インスリンが十分に働かないために、血液中のブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気です。
インスリンは、膵臓で作り出されるホルモンで、血糖を下げる働きがありこのホルモンのおかげで通常は血糖値が正常に保たれているのです。
高血糖が続くと様々な合併症が引き起こされます。
そのうちの一つが歯周病です。
糖尿病の人は、糖尿病ではない人に比べて歯周病になるリスクが3倍高いと言われています。
そして歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼします。
糖尿病になると歯周病が進行しやすく、歯周病が進行すると糖尿病も進行しやすいのです。
その理由もご説明していきます。
糖尿病が進むと歯周病も進む理由
糖尿病の人が歯周病が進行してしまう要因としては下のようなものがあります。
- 唾液の分泌が少なくなる、口が乾く
- 細菌に対する抵抗力が低い
- 歯周組織の修復力低下
糖尿病になると唾液の分泌が減少します。
唾液には、異物を洗い流してくれる自浄作用、唾液に含まれる抗菌物質による抗菌作用など歯茎を守ってくれる作用があります。
その唾液が減少することで歯周病菌が増殖しやすくなるのです。
また、高血糖の状態が続くと、菌と戦ってくれる白血球の働きが低下するため歯周病菌に対する抵抗力が低下してしまうのと、血管障害が起きやすくなるため血流量が減少して歯周組織の修復力も低下してしまうのも歯周病が進行する要因になっています。
歯周病が進むと糖尿病も進む理由
歯周病が進むと糖尿病も進む原因としては下のようになります。
歯周病菌の内毒素が、肝臓や脂肪細胞で産生されるTNF-αの産生を促進する
↓
TNF-αはインスリンの働きを低下させるので、血糖値が上がる
歯周病菌は歯茎から血管内に侵入し全身に回ります。
歯周病菌自体は免疫細胞によって死んでしまっても、歯周病菌が持っていた内毒素は血液中に存在し続けることができます。
この内毒素が肝臓や脂肪細胞からのTNF-αの産生を促進させます。
TNF-αはインスリンの働きを低下させます。
インスリンの働きが低下すると血糖を正常値まで下げることができないため血糖が高いままになってしまいます。
糖尿病が改善すれば歯周病も改善し、歯周病が改善すれば糖尿病も改善する!
歯周病と糖尿病はお互いに悪影響を与えています。
しかし逆に言えば、糖尿病を改善することにより歯周病が改善し、歯周病が改善することにより糖尿病を改善することができます。
そういった研究結果も示されています。
なので、糖尿病も歯周病も放置せずにしっかり治療を受けることがとても大事なのです。
主な歯周病対策
歯周病対策は下のようになります。
- 毎日の歯磨き
- 歯科医院での歯周治療+定期的なメンテナンス
歯周病対策のメインは毎日の歯磨きになります。
歯周病の原因となる歯石、歯垢(歯周病菌)が定着しないように、普段からしっかり歯磨きをするようにしてください。
歯周病に効く歯磨き粉を使うのも効果的です。
そして、定期的に歯科医院でメンテナンス(歯石取り)をしてもらうとよいでしょう。
ご自身の普段の歯磨きで届かない部分や歯石になってしまったところを綺麗にしてもらいましょう。
歯周病が進行していて歯周ポケットが深い方は、より歯茎の深いところの歯石を除去するための歯周治療を行う場合もあります。
まとめ
糖尿病になると歯周病が進行しやすく、歯周病になると糖尿病も進行しやすいです。
歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼすのです。
しかし逆に言えば、糖尿病を改善することにより歯周病が改善し、歯周病が改善することにより糖尿病が改善されます。
なので、糖尿病も歯周病も放置せずにしっかり治療を受けることがとても大事なのです。
歯周病対策としては、毎日の歯磨きに加えて歯科医院での定期的なメンテナンスがおすすめです。
糖尿病の予防にもなるので、是非日頃からお口のケアを頑張ってみてください!