鼻の炎症で歯が痛くなる場合がある?副鼻腔炎(上顎洞炎)と歯の痛みについて
こんにちは!雲仙市国見町の徳永歯科医院です!
花粉症や鼻風邪になったときに歯が痛んだ経験はありませんか?
実は副鼻腔炎が原因で上の奥歯の痛みが出ることがあります。
歯の痛みといえばむし歯や歯周病など口腔内の問題を疑うことが多いのですが、このようにお口の外に痛みの要因がある場合もあるのです。
そこで今回は副鼻腔炎と歯の痛みについて説明していきます。
副鼻腔炎とは
副鼻腔とは、目や額や頬骨の後ろに位置していて鼻腔と繋がっている空洞のことです。
副鼻腔の役割は、鼻から取り込んだ空気を湿らせて温かい状態にしたり、内部の粘膜や繊毛で空気に含まれるウイルスなどを除去して悪いものが肺に入るのを防いだりすることです。
この副鼻腔が炎症を起こした状態を副鼻腔炎と言います。蓄膿症と呼ばれたりもします。
副鼻腔炎は風邪や花粉症などによって引き起こされ、症状としては鼻水・鼻づまりや顔の一部(頬や目の奥、鼻の周りなど)が痛くなったりします。
また、副鼻腔にも前頭洞、蝶形骨洞、篩骨洞、上顎洞と4箇所あります。
副鼻腔の炎症の中でも歯の痛みと関係あるのは上顎洞の炎症になります。
副鼻腔炎(上顎洞炎)と歯痛の関係
上顎洞炎になると、上の奥歯が痛くなることがあります。
赤で囲っている部分が上顎洞です。
上顎洞の底と上の奥歯の根っこが近い位置にあるので、上顎洞が炎症を起こしたときに上の奥歯の根っこまで炎症が波及して歯が痛くなることがあるのです。
このときの歯の症状としては、下のようになります。
- 咬むと痛い
- 歯の根っこに相当する部分を抑えると痛いなど
痛い歯がむし歯や歯周病などではなくて最近鼻風邪をひいていてという場合は、上顎洞炎からの歯の痛みの可能性も疑います。
対処法
歯の痛みが上顎洞炎からきているものであれば、上顎洞炎が治癒することで歯の痛みもなくなります。
上顎洞炎は自然治癒することも多いので、歯医者ではそのまま経過観察にするか症状の程度によっては抗生剤だけ内服してもらうかで様子を見ます。
また、ご自身でできる上顎洞炎の対処法としては下のようになります。
- 十分な水分と睡眠をとって体調管理
- 冷やす
- 蒸しタオルを鼻の上に置いて、蒸気を吸入する
- 鼻洗浄(鼻うがい)をする
このような体調管理等で上顎洞炎の症状が落ち着く場合もありますが、症状が長引く場合は耳鼻科の受診をお勧めします。
まとめ
上顎洞の底と上の奥歯の根っこは近い位置にあるので、上顎洞の炎症で上の奥歯が痛くなることがあります。
そのときの歯の症状としては咬むと痛い、歯の根元を抑えると痛いという症状が出ます。
上顎洞炎は自然治癒することも多いので体調管理等でそのまま様子見することもあるのですが、症状が長引く場合には耳鼻科を受診されることをお勧めします。